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2014.02.03 UP

ストレスで食に救いを求める!気付けば職場はセクシーパブ!? 

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深夜の薄暗い店。個室のようにスクリーンで仕切られたベロアのソファの席で、ドレスの女と客が戯れる。女がライターの火をともし、ウエーター、ウエートレスを呼ぶ。蛍のようにぼんやりした光の元へすたすたと向かい、さっと注文を取り、せっせとドリンクや氷を運ぶ……私のある1カ月の仕事でした。

 

27歳で上京を決意をした私は、大学卒業以来ずっと勤めた職場を退職。正直な話、裕福ではなかったので、上京前の1カ月間、資金調達のため朝9時から深夜3時まで働きました。昼はコールセンター、夜はそんなつもりはなかったのに、送りこまれた先が……まさかのセクシーパブ!

 

私の目の前に、とんでもねえ~世界が広がったのです。

 

泣きたくなったとんでもねえ~エロスの世界

××ちゃんご指名で~す、ありがとうございます、フゥ~イェッ!

店内に響く、お世辞にも品が良いとはいえないアナウンスの中、ドレス姿の女性の“セクシーサービス”に理性崩壊の男性客、ステージではトップレスのショー、ビキニショーツに挟まれる福沢さんやら野口さんやら、日本銀行券がわんさか……。

 

当初はただ「Oh……ジーザス」としか漏らせませんでしたが、少したつと冷静になり「自分もこの絵の一部なんだよなぁ」と思うものだから泣けてくる。現実逃避せんとばかりに鏡張りの壁に目を背ければ、ピンクのメイド服姿の自分が映る。

 

それまで積み重ねた27年の人生が、音もなく蒸発していくようでした

 

仕事に甲乙を付ける気はありません。しかし、いかに自分が「○○会社勤務」などそれなりの“肩書”のおかげで、さも一丁前な顔をできていたかを思い知らされたのは事実です。

 

さらに当時は人間関係も恋も趣味も、全てがうまくいかない状態。仕事も私生活もどん底、まあ、誰もが一度は通るであろう“負のロイヤルストレートフラッシュ”ですが、上京への不安も加わり、私はどんどん混沌(こんとん)の世界に落ちていったのです。

 

深夜3時に終業し、6時間後にはまた仕事。話す相手などなく、完全に孤独。心の隙間を埋める方法は、もはや「」しかなく、毎日深夜にラーメンを食べて1カ月で5kgほど体重が増えたと記憶しています。

 

そして心を前向きに切り替え……られませんでした

私の話はニッチな例かもしれませんが、ストレスなどで食に救いを求めてしまう方はいらっしゃるのではないでしょうか。

 

結局、上京後も私は体重が増え続け、そして、30kgのダイエットを行いましたが、前向きになって解決したわけではありません。簡単にいうと、ただ太り過ぎて、混沌の世界の底が抜けただけなのです。

 

増えすぎた体重に混沌の世界の方が耐えられなくなった。そんなところでしょうか。私は、混沌の世界から抜け出す方法は、必ずしも上を向くことや、前向きになることではないと思いました。

徹底的に奈落の底へと落ちることで(私の場合は体の重みで)、下に出口ができるかもしれない。混沌の壁に体を預ければ、外の音が聞こえるかもしれない。音を頼りに、横から壁をぶち抜くことができるかもしれない。

 

前向きな気持ちなんて、後から勝手についてくるくらいでちょうど良いのかもしれません。

さすがに、健康や命に害をもたらす場合は、しかるべきところでの処置が必要ですが、問題がなければ、混沌の中を漂うことも悪くはないと思うのです。

それに、もしかしたら混沌の闇の中は、光が届かないからこそ、真に必要な光だけを見いだせる空間なのかもしれません。薄暗い店にぼんやりともるライターの火ではなく、外の世界で、これから自分がゆく道を照らしている、まぶしい陽(ひ)の光を。

 

Photo by Pinterest

銀子

銀子

(JOPHダイエットアドバイザー/ライター/会社員)

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