2016.09.09 UP

鎮痛薬だけじゃない!ハーブや漢方で頭痛を治す方法とは

LINEで送る
Share on Facebook

痛いときに痛み止めを飲む、たまに鎮痛薬を飲む分には構いません。ですが毎日連用すると肝機能が悪くならないか、胃腸がやられてしまわないか、と、薬剤師としては心配になってしまいます。今回は、そのような一般的な鎮痛薬ではなく、ハーブや漢方の力で痛みから解放される方法をご紹介します。

 

頭痛を治す西洋ハーブ

西洋やアメリカでは現在でも頭痛の時にハーブを噛んだり、お茶にして飲んだりして対処します。日本のスーパーでは手に入れにくいかもしれませんので、インターネットの方が簡単に見つかると思います。ただし、インターネットで買う際には下記に書きますポイントはしっかりと把握しておきましょう。

フィーバーフュー

[使い方]

・生の葉を毎日二枚、噛む。

・フリーズドライ化したカプセル剤を飲む。

[ポイント]

・片頭痛をよく起こす人は、痛いときだけでなく連日用いる。

・生の葉で口内炎が起きる人は、フリーズドライ化された製品を用いる。

・急にやめると反動で痛みが出る人もいるので、やめる時は徐々に減らしていく。

・カプセル剤を選ぶ際は、ビタミンB2とマグネシウムが混ざっているものを選ぶ。

 

マリーゴールドの様なかわいらしい花を咲かせるフィーバーフューは、古くは2000年前からギリシャで薬として用いられてきました。ある医師の研究では、毎日生の葉を数枚かんでいた頭痛患者が、1年にも満たないうちにほとんど症状が出なくなったそうです。

名前の由来はラテン語の『熱を追い出す』という意味で、頭痛のほかにも関節痛、月経痛、発熱などに用いられてきました。

現在、この薬理学的メカニズムが研究されている途中ですが、どうやらパルテノライドという成分が脳の血管収縮を抑制するという事がわかってきました。

カナダなどではこのフィーバーフューの製品に含まれるパルテノライドの含有量に基準を設けています。また、やめる時に一つ注意が必要です。少しずつ量を減らしていかないと退薬症状という反動が出てしまいます。

急にやめないように気を付けてください。

 

バターバー

[使い方]

・エキス製剤を毎日100~150㎎飲む。

[ポイント]

・フィーバーフューと同等か、それ以上に知名度のある頭痛用のハーブ。

・片頭痛のみならず、アレルギー性鼻炎にも期待できる。

・PA(ピリジンアルカロイド)の除去されている製剤を選ぶ。

 

大きなハート形の葉を持つバターバー。『咳の草』とも呼ばれ、喘息、気管支炎などの呼吸器症状などにも用いられてきました。また、アレルギー性鼻炎にも用いられ、眠くならない抗ヒスタミン様用があるのでは、と注目されています。
肝心の頭痛に関しては、アメリカの研究で、服用した91%の患者が頭痛の期間や頻度、痛みの強さを軽減できた、と回答しています。詳しいメカニズムはわかっていませんが、やはり脳血管の収縮を抑制する効果があるのではないかと言われています。かなり西洋では頭痛のハーブとして認知度が高いのですが、含有される成分のピリジンアルカロイドは肝機能障害を起こすと言われていますので、これを除去した製品を選ばなくてはなりません。海外の製品を買う際にはPAfreeという記載を確認しましょう。

ウィロウバーク

[使い方]

・お茶として、水200㏄に対して小さじ1杯のウィロウバークをいれ、10分ほど煮てから飲む。薬臭い様な味があるのではちみつなどを混ぜる方が飲みやすい。

・エキス製剤を飲む。

[ポイント]

・頭痛のみならず、関節痛、筋肉痛、リウマチなどの炎症に幅広く用いられる。

・服用すると、体内で痛み止めであるサリチル酸に変化する。

・アスピリンにアレルギーのある方は用いない。

 

別名、ヤナギ。古代ギリシャや中国で熱のある患者、痛みのある患者に用いてきた歴史があります。(ちなみに昔の爪楊枝にはヤナギの枝が用いられ、歯茎の炎症を抑えていたと言われています。)ヤナギに含まれるサリシンという成分が身体の中でサリチル酸という痛み止めに変わり、頭痛に効きます。

ハーブティーとして、またはエキス製剤で服用しますが、アスピリン喘息やアスピリンのアレルギーのある方には用いる事は出来ませんのでご注意ください。体質改善というよりも、対症療法に近いハーブですね。

 

ペパーミント

[使い方]

・お茶として飲む。火にかけなくても、浸しておくだけで良い。生の葉か、乾燥した葉を6枚程度、200㏄のお湯の中に入れる。

・カプセル剤として飲む。ゆっくりと身体の中で溶ける徐放性製剤がある。

・トローチ剤として飲む。咳に特に良い。

・外用剤として塗布する。

[ポイント]

・頭痛のみならず、消化不良、ガスの排泄、腹痛予防、過敏性腸症候群、風邪、咳など広く用いられる。

・逆流性食道炎がある場合は服用しない

 

有名なペパーミントは、とりわけ緊張性頭痛に用いられます。香りも治療に大切ですので、お茶ならばゆっくりと飲むのがいいですね。メントールの入った軟膏を頭痛時に塗ることも有効とされています。

広く色々な効果がありますので、上記の症状がいくつも当てはまる場合に良いですね。

コーヒー

[使い方]

・頭痛時にコーヒーを飲む。

[ポイント]

・コーヒーに含まれる血管収縮作用が効くと言われている。

 

はじめの方で紹介したフィーバーフューは、血管収縮を抑制する効果があり、これが頭痛の軽減につながるとされているが、カフェインに関してはその逆で、血管を収縮する働きが頭痛を軽減すると考えられています。

頭痛のメカニズムの一説に、脳の血管の拡張が周りの神経を刺激するという考えがあります。カフェインはその血管の拡張を抑えられるので頭痛に効くと考えられています。

 

頭痛を治す日本の民間療法

日本らしいものを用いた頭痛の治し方です。冷蔵庫にあるようなもので治療しますので一度試されてみてはいかがでしょうか。旧海軍大尉であった方が広めた方法です。

大根

[使い方]

・おろし大根からでた水分で頭を濡らす。

・おろし大根からでた水分を鼻の中に2~3滴、仰向けになりたらす。

[ポイント]

・おろし大根の汁は冷たい方が良く効く。

・鼻に入れる場合は少量でいい。

 

頭部を冷やす目的でおろし大根の汁で頭全体を濡らします。鼻に入れる方法は、かなりの確率で頭痛が止まるとされています。詳しいメカニズムはわかっていませんが、フレッシュで辛い方が良く効くと言われています。

 

濃い煎茶

[使い方]

・頭痛時に頓服として飲む。

[ポイント]

・コーヒーと同じく、カフェインが効く。

 

コーヒーで頭痛が収まるメカニズムと同じと考えられています。濃く入れた煎茶には多くのカフェインが含まれますので、脳の血管が収縮し、脳神経の刺激を抑制できると考えられています。

 

頭痛を治す漢方薬

多くの漢方薬が頭痛に用いられます。今回は有名なもののみ紹介しますが、他にも頭痛に有効な漢方薬は多くあります。

呉茱萸湯

[保険適応]

可能

[剤形]

エキス製剤など

[読み方]

ごしゅゆとう

[こんな頭痛に]

痛みがはげしい

吐き気もしてくる

頭痛時に足が冷える

目も開けていられない

方から首にかけてひどく凝る

 

少し癖のある漢方薬です。苦味と酸味がありますので、苦手な方はエキス製剤をオブラートに包んだ方が良いかもしれません。本当はお茶のように煮出したり、エキス製剤も湯に溶かした方が良く効きます。

頭痛のタイプとしては吐き気も伴うような激しいものです。横になってもじっとしておれず、苦しそうに動く方に合っています。痛いときのみ飲むのではなく、継続して少なくとも1か月は飲み続けた方が良いです。

 

五苓散

[保険適応]

可能

[剤形]

エキス製剤など

[読み方]

ごれいさん

[こんな頭痛に]

頭痛が激しい

尿の出がやや悪い

ややのどが渇く

方から首にかけて凝る

 

呉茱萸湯よりは飲みやすい漢方薬です。呉茱萸湯の味が苦手で五苓散に変えることもあります。基本的にはあまり水分代謝の良くない方の頭痛に用います。

むくみやすい、小水の出が悪い、腎臓が弱い、胃に水分のチャポチャポした音がする方などです。お酒を飲んだ時の頭痛にも活躍します。こちらも頓用ではなく、最低でも1か月は飲み続けた方が良いですね。

釣藤散

[保険適応]

可能

[剤形]

エキス製剤など

[読み方]

ちょうとうさん

[こんな頭痛に]

早朝に頭が重く痛い

午前中に作業をしていると痛みを忘れる

肩がこる

めまいがある

動脈硬化気味である

 

わりと血管に負荷のかかっている方の頭痛に用いられます。普段から血圧が高い、耳鳴りがある、頭部に緊張感がある方などです。

激しい頭痛ではなく、朝起きたときになんだか頭が鈍く痛いと感じる方に合っています成分の1つである釣藤鈎(ちょうとうこう)には脳の血管が痙攣するのを抑え、さらに毛細血管の拡張作用が頭痛に効くと考えられています。

 

半夏白朮天麻湯

[保険適応]

可能

[剤形]

エキス製剤など

[読み方]

はんげびゃくじゅつてんまとう

[こんな頭痛に]

眉間や額、頭頂部の痛みに

めまいを伴う頭痛

普段から胃腸が弱い

身体がふわふわと浮いているような感覚がある
頭痛はそれほど激しいものではありませんが、目が回る、なんだかフラフラと揺れるような感覚がある頭痛に用いられます。

普段から胃腸の丈夫でなく、胃に水のたまったチャプチャプした音があります。あまり血色もよくない方向けです。飲み続けると頭痛、めまいだけでなく、胃腸も丈夫になってきます。

 

 加味逍遥散

[保険適応]

可能

[剤形]

エキス製剤など

[読み方]

かみしょうようさん

[こんな頭痛に]

肩の凝りを伴う頭痛

生理前に起こりやすい

イライラすると悪化する

普段から精神的に安定しない
この頭痛は首や肩の凝り、緊張感を伴う頭痛です。そして女性ホルモンと深く関係があり、とりわけ高温期の後半、生理直前に悪化します。普段から落ち込んだりイライラしたりと波がある女性には一度使ってみてほしい漢方薬です。更年期障害にも用いられます。体質に合っている方だと、おいしく感じられる方が多いのも特徴です。こちらは半年ほどは続けた方が良いお薬です。

 

番外編:ズキラック

漢方薬の成分と西洋のハーブが含有された商品があったのでご紹介します。お薬ではないのですが、ハーブの良い成分と漢方の良い成分が融合された面白い商品です。合成された化学薬品が入っているわけでもありませんので、成分に関しても安心できます。

[成分]

フィーバーフュー

マグネシウム

大豆イソフラボン

フランス海岸末樹皮エキス末

チェストベリー

経皮

冬虫夏草

[形状]

錠剤

主に頭痛に効くのはフィーバーフューではないかと思われます。マグネシウムでフィーバーフューの効果をあげ、桂皮で血行促進を促している商品です。どちらかというと、ホルモンのバランスも加味した成分(大豆イソフラボン、チェストベリー)が含有されていますから、女性の方向きの商品ですね。また、ハーブや漢方薬は独特の味があるのですが、こちらは錠剤になっているので飲みやすく作られています。頭痛との関係はわかりませんが、冬虫夏草は免疫力の強化のために虚弱体質者やがんの方が良く用います。含有量の記載はありませんでしたが、東洋医学の世界ではとても貴重で、大切な成分として扱われています。

 

まとめ

今回は頭痛にまつわるハーブ、漢方薬、民間療法についてお話ししました。今回の意図はロキソニンやイブプロフェンなどの連用によって肝機能や胃腸障害が出ないようになることです。

最近ではロキソニンに重大な副作用として小腸・大腸の狭窄・閉塞が追加されました。

あまりにも鎮痛薬を飲むようでしたら漢方薬で体質改善をはかったり、原因を見つけるためにも一度病院で検査を受けられた方が良いですね。体質改善をする場合には、6か月から1年、人によっては2年とかかる人もいますので、焦らずに生活習慣を見つめなおしましょう。

 

 

 

監修 二宮麗
資格: 薬剤師
漢方薬・生薬認定薬剤師
漢方スタイリスト
講師歴:栄中日文化センター
女性のためのこころとからだフェス(主催;名古屋リビング新聞社)

アンジー編集部

アプリで、ANGIEがもっと快適に。

  • お気に入り機能で便利に読める
  • プロライターによる最新情報が充実!
ページの先頭へ