2016.10.05 UP

騙されないで!漢方専門薬局の裏事情

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『漢方薬局』と聞くと、怪しい瓶詰めのマムシや、乾燥したスッポンが並んでいて、しかも店内はなんだか暗くて怖い。値段も怖い。はたしてそんなところで自分の身体の症状にピッタリで求めやすいお薬なんて出してもらえるのだろうか。騙されるんじゃないか・・・!そう不安に思われる方も多いかと思います。

お医者さんにも評判のいいところと、そうでないところがあるように、漢方薬局にも善し悪しがあります。

今日は一緒に、少しでもその目を養いましょう!

怪しい虫や、動物性の漢方を勧められることはあるのか

答え:△

今でも使う、動物性の漢方薬成分

●スッポン
●マムシ
●牛の胆石
●みみず
●さそり
●熊の胆汁
●鹿のツノ
●ガマの油
●オットセイの生殖器
●ジャコウ鹿の匂い成分
●ロバの皮
●タツノオトシゴ

やはり動物由来のものを使うことがあります。老舗の薬局ならば、乾燥したスッポンやマムシを問屋さんから買い、薬局のミキサーで細かく粉砕して、袋や瓶に入れて販売しています。

そうかと思えば、『え、そんなものが入っていたの?』と、一見しただけではわからない見た目の漢方商品もあります。例えばCMでお馴染み、『救心』です。あの商品の一番の成分、『ゴオウ』は、実は牛の胆石なのです。人間にもできる、あの胆石ですが、牛からとれる胆石は薬になるので、古来はそれが家畜から見つかった場合は幕府などに献上しなくてはなりませんでした。心臓の妙薬として、未だに漢方薬局の世界では重宝されています。

他にも栄養ドリンク、『ユンケル』シリーズには『ハンピ』というマムシ由来の成分が入っています。

高熱やリウマチには『ジリュウ』というミミズが用いられます。清熱作用があり、よく効きます。少しにおいもありますが、解熱鎮痛薬の連用をやめたい方や、小児の熱にあまり薬っぽいものを飲ませたくない方が使用します。

 

 

どんな患者さんが来ているのか

答え:行きたい漢方薬局のHPを見ます。

あまりにも古い老舗の漢方薬局でしたら、基本的になんでもそろっていると思いますが、街の小さな漢方薬局には得意な分野があります。アトピーなのか、不妊なのか、生活習慣病なのか、がんなのか。たいていの薬局がホームページを持っていますので、一度見てみましょう。たくさんの事が書かれている疾患を得意分野としているはずです。

漢方薬そのものは、本当にどんな病気にも使います。おならに悩む方、がんの方、シミを消したい方、男性不妊の方、脳梗塞後の麻痺を治したい方、心肥大で息が上がる方、体重を増やしたい方、認知症を予防したい方、生理痛の激しい方、本当に様々です。大昔は堕胎すらも漢方薬局に相談に来ていました。

こんな病気に漢方薬は向かない

答え:①慢性の難聴、②骨の異常、③部分的な多汗症

  1. 突発性の難聴や、耳鳴りの延長である難聴は漢方薬で治る可能性がありますが、先天性の難聴や、すでに聞こえなくなって何年もたつ方は難しいです。

  2. また、骨の健康や栄養になるようなものはあっても、直接骨折を治すようなものはありませんので、整形外科の範囲で緊急のものは漢方が向きません。

  3. 多汗症に関しては難しいところです。全身的に、じわっと出る汗、寝汗、汗っかきなどには漢方薬が良いのですが、手のひらのみ、わきのみ、などの部分的な汗は漢方薬を長く飲んで効く人、効かない人が分かれます。生活習慣を変えた方が部分的な汗には手っ取り早いことが多いです。

うちでは治りません、と断言してくれる薬剤師さんにあたればいいのですが、意外とそのように言ってくれない薬局は多くあります。上記の三つに関しては、漢方薬ではない選択肢を考えた方が良いかと思います。

 

こんな漢方薬局は、やめた方が良い

答え:①初めから1か月以上の投与をするところ ②あれもこれも、とすすめるところ

  1. 『漢方薬は穏やかに効く』というのは、間違いです。必ずしもそうではありません。漢方の胃腸薬は数十分で好きりしてきますし、風邪の葛根湯も10分もすれば汗をかいてきます。体質改善といえども、いきなり1か月分の漢方薬を出すのはちょっと多すぎです。たいてい1~2週間ほど飲んでみて、そしてまた相談に行き、漢方薬を貰います。アトピーの患者さんは特にそうです。一晩で悪化しり、はたまた1週間で驚くほど赤みが「引いたりしますので、1~2週間おきに相談し、加減してもらうのがベストです。

  1. 基本、初めての患者さんには、あれもこれもとすすめません。ただでさえ漢方薬独特の味でリタイヤしてしまうかもしれませんし、高額すぎて1週間も続かないかもしれないところに複数をいっぺんに紹介するのはどうかと感じます。ちゃんとした漢方薬局ならば、様子を見ながら、必要とあれば少しずつ増やしたり、または減らしたりしながら治していきます。

ただし、皮膚病や関節痛で、漢方薬の内服と、外用の両方を出す程度の事はあります。また、急を要するような重篤な場合も、複数勧める事があります。

 

その5、いくらくらいが妥当か

答え:一か月、2万円~8万円程度

一般的な漢方薬局でしたら、一か月3万円も出せば良いものが買えると思います。

ただし病気の重さによって、本当に値段は違います。便秘のドクダミを買うなら、ひと月4000円程度ですし、がんですと最低5万円はかかるかと思います。一般的な妊活や、生理不順、アトピーや便秘でしたら、一か月2~3万円と考えましょう。

診たての善し悪しはあるのか

答え:大いにある

古くからやっている薬局の先生、講演をされている先生、大学の講師をされている先生などはとても信頼できます。書籍を出している先生もいいですね。

注意したいのは、新しいきれいな薬局です。それというのも、漢方薬には学問的な知識だけでなく、経験値という勘が必要になります。できたらご年配の先生からその勘所を学び、確かな経験を盗むのが理想です。薬剤師の先生が老若男女そろっているところが良いですね。ただし、薬剤師の先生が若くても、ちゃんと得意分野があり、その疾患の患者さんが多く来ており経験があるのであれば別です。

 

 

脈やお腹を触るのは良い先生?

答え:〇

なぜ薬局で触られなきゃならないのか、セクハラなのでは!と思われる患者さんもいますが、漢方薬の世界では腕の脈や、肋骨、おへそのあたりを触ることはよくあります。脈の速さや元気の良さを感じたり、お腹の中の方さやしこりを触ったりすることで漢方薬が決まるのです。お話は一切せずに、これらに触れて漢方薬を決める先生すらいます。

日本の漢方家は、お腹をよく触ったり押したりします。中国の漢方はお腹よりも脈を重視します。脈に関してはご自身でも触ってみるといいですね。妊娠している方は元気な脈ですし、疲れていると見つけるのすら難しくなります。毎日触っているとなんとなく調子がわかってきます。

 

 

実は入店するときから観察されている?

答え:〇

だからと言って何か演技をする必要はありません。

どんな顔色かな、足取りはどうかな、表情はどうかな、などなど、話さずともその人の見た目からかなりの情報が得ています。現代の病院はパソコンを見つめる先生が多いのですが、漢方薬屋さんは正反対です。じっくりと観察させてもらいますし、そしてたくさんお話を聞かせてもらいます。血液検査やCTなどできない分、漢方薬局では観察眼が必要なのです。できたらファンデーション、口紅をせず、そして歯磨きの時も舌のコケをとらずに行きましょう。それらのすべてが情報になり、より合った漢方薬の選定に繋がります。

 

まとめ

なんだか実態がよくわからない漢方薬局ですが、少しは透明性が増しましたでしょうか。普通の薬局よりも特色のある、癖のある薬局ですが、話の合う薬剤師さんが見つかったら面白いもので、家族の健康はすべてこの薬剤師さんに託してしまおうという気持ちになります。ただやや高額なのも事実ですので、そのあたりもきちんと聞いてくれる担当の方を選びましょう。

 

 

 

 

監修 二宮麗

資格: 薬剤師

漢方薬・生薬認定薬剤師

漢方スタイリスト

講師歴:栄中日文化センター

女性のためのこころとからだフェス(主催;名古屋リビング新聞社)

アンジー編集部

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